子供にとって箸で食事をすることは食物を口に運ぶことだけではありません。手や指の働きの基本形を育てることにあるとも言えます。

  箸の機能は、挟む・つまむ・すくう・支える・運ぶ・切るという6つがあり、どれもみな子供に集中力と持続力を要求します。  またこの動作は

   主として四指の共感動作であり、茶碗を持ったもう片方の手との連携動作という手の機能発達の基礎訓練でもあります。
 人間の脳の重量は、受精後4ヶ月で約20〜30g、その後急激に成長し受精後10ヶ月で約400g、体重の約12%となります。  

   生後6ヶ月で約800g、3〜4年で約1200g、7〜8年で約1260g、成年で約1400gとなります。

   このように脳の成長は3〜4歳までの間に急激に進みます。3〜6歳位は感覚教育に適した時期といわれます。

   楽器のバイオリンは3歳ぐらいまでに始めなければならないというのは、繊細な音感などが養われないからなのでしょう。   2歳位の児 に

   なると手の指が自分の意思で動かせるようになります。この時期から箸の使い方を覚えさせることが出来ます。(バイオリンほど繊細さは

  要求されないですが)。
 幼年期からの日常的な食事での箸使いが、日本人の手先の器用さや集中力・忍耐力を育てているといえます。